昨日4月2日、東方神起が全国ツアー「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」のファイナル公演を東京・東京ドームで開催した。
今年、日本デビュー10周年を迎える東方神起。2月からスタートした「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」は自身2度目となるドームツアーで、全5カ所16公演で約75万人を動員。ファイナル公演のパブリックビューイングも含めると約80万人を動員した。
ライブではオープニングVTRが流れたのち、爆発と同時に、ステージ上手と下手にそれぞれスポーツカーに乗ったユンホとチャンミンが登場。2人は「Refuse to lose」を歌いながら車から降り、「Are you ready?」とクールに宴の始まりを告げ、ゆっくりステージ中央の位置に付いた。次の「Spinning」ではダンサーとともに横一列で踊っていたところ、彼らの立ち位置の床がメインステージから分離して動き出し、旋回してセンターステージへ続く約60mのブリッジに変わった。センターステージに渡っての「Why? (Keep Your Head Down)」では、東方神起カラーの赤1色に染まった客席から盛大なコールが飛ぶ。
挨拶コーナーでは、ユンホが「東京ドームのみんな元気でしたか? 今日は東京ドームのファイナルです。みんな気合いはちゃんと入ってますか!? 今日はファイナルだから思いっきり暴れると思います。ここにいるみんなも覚悟してください。今日は、今までの中で一番ヤバイかも」と予告。チャンミンは「寂しいですよね。だけどその寂しい気持ちを乗り越えるために、今日ここにいらっしゃってる皆さんと楽しく盛り上がっていきたいと思います。張り切っていこうじゃありませんか!」と呼びかけた。
序盤は、2人だけで送るバラード「Believe In U」やセクシーなダンスが見どころの「DIRT」、歌唱力の高さを発揮する「Time Works Wonders」、さらに「Survivor」「Special One」などを披露。10周年記念ツアーにふさわしい新旧織り交ぜたセットリストで観る者を魅了していく。
本編折り返し地点のMCでは、「このブリッジどうですか?」「笑ってる皆さんの顔を見て、すごくホッとしました。映画館の皆さんも一緒に楽しんでくれてると思います」と和やかな雰囲気に。最新アルバムと今回のツアーのタイトルに掲げた「WITH」について、チャンミンは「今まで僕たち東方神起とともに皆さんが歩んできたこと、これからも何があっても変わらずに歩んでいきましょうという意味が入ってるんです。『WITH』の中に入ってる大きな愛をテーマにしました」と説明する。また、日本デビュー10周年という話題になり、「10周年って決して短い時間ではないからすごいことだと思います」とチャンミン、「小さいステージからだんだん上がってきてこのドームのステージに立つことができました。それはこの2人だけじゃなくて、見えないところでがんばっているスタッフさんと、ここにいる皆さんのおかげだと思います。本当にありがとうございます」とユンホが感謝を述べる。さらにこの日はSMエンターテインメント会長のイ・スマンが来ていることも明かし、2人は「東方神起生みの親」に改めて感謝を伝えていた。
後半に入ると「Calling」「Duet」「どうして君を好きになってしまったんだろう?」「Chandelier」というしっとりとしたナンバーが続き、観客の視線はメンバー2人のみに注がれる。しかし幕間映像を挟んだあとの「Humanoids」では空気が一変し、観客の付けているLED搭載型リストバンドやレーザーなどのデジタル演出を駆使して楽曲の世界観を表現。次の「Break Up The Shell」からは再び明るいムードで盛り上がり、ユンホとチャンミンはトロッコで移動しながらボールやフリスビーを笑顔で客席に投げ入れていた。
バンドメンバーとダンサーのセッションを挟んで、いよいよ本編ラストスパートへ。2人は金色の刺繍入りの白いジャケットスタイルに身を包み、8~10人のダンサーを従えて「MAXIMUM」「Rising Sun」の日本語バージョンをパフォーマンス。真剣な表情、エモーショナルな歌声、圧巻のユニゾンダンスが一体となった鬼気迫るステージングに、観客のボルテージも最高潮に達した。
アンコールでは、「今回のライブが東方神起にとって大きな意味のあるステージだった」と2人とも充実した顔を浮かべる。最新シングル「サクラミチ」を歌う前にはチャンミンが「この2人の物語だと思って聴いてください」と前置きし、場内は切なくも感動的な空気に包まれる。続く「With Love」では、発光型リストバンドによってスタンド客席に「TOHOSHINKI 10YEARS」と大きな文字が浮かび上がり、同時にメインステージのスクリーンには、このツアーに参加したファンやスタッフの写真と2人への応援と感謝を込めたメッセージが映し出された。5万5000人の大合唱の中、このサプライズ演出を目の当たりにした2人は号泣。歌い終えて涙の止まらないユンホに、チャンミンが近付き肩を抱いた。
そしてユンホは「これをいつ言うかずっと悩んでたんですけど……実は、東方神起の単独ライブツアーではしばらく会えないと思うんですけど」と、兵役の入隊を示唆するMCを始めた。彼は「東方神起の単独ライブツアーではしばらく会えないと思うんですけど、今まで応援してくださって本当にありがたいですし、すぐ戻ってきて、このステージの上で皆さんに会うから。元気で待っててください! 僕が『ただいま』って言ったら、みんなは『おかえり』って、必ず言ってください! 今のこのステージはただのツアーのファイナルじゃなくて、10年間走ってきた思いが今ここで爆発しました。必ず、ここで、会いましょうね! 約束だからね! 今、俺は絶好調だ!!」と声を張った。
それを横で聞いていたチャンミンも、目に涙を溜めながら「スタッフのしわざで……いつも僕が文句言ったり怒ったりすることもあるんですけど、今の映像を観て悔しいけど涙が出てしまいました。しばらくは東方神起の単独ライブとして会えないんですけど、また会える場所が、できればここ東京ドームで皆さんと再会できればうれしいなあと」と思いを吐露。すべてのスタッフとファンに向けて「夢を作ってくださって本当に感謝しておりますし、皆さんに出会ったのは僕の人生の中で一番のプレゼントだと思います。本当に幸せでした。必ず戻ってきます」と再会を誓った。
その後のダブルアンコールでは「ウィーアー!」を歌いながらアリーナ外周を練り歩き、最後の曲「Somebody To Love」でバックステージ、センターステージ、メインステージとすべてを使ってくまなくファンに手を振る2人。悔いを残さないようステージを全身で楽しんでいる様子のユンホは「ありがとうー!!」と絶叫していた。
2人が去ってエンドロールが流れる間も「東方神起」コールが鳴り止まず、この日はトリプルアンコールが実現。チャンミンは「今のタイミングに合う曲だと思います。できればね、時間を止めて皆さんと一緒にいたいなあと思うんですけど」と、この日だけの特別な1曲に「時ヲ止メテ」をセレクトした。渾身の熱唱ののち「また会いましょう」という言葉を残して、「ありがとうございました、東方神起でした!」と約3時間40分におよぶライブを締めくくった。